酸素ボンベを使っているご家族の通院で、
「病院まで連れて行けるだろうか」
「車いすと酸素ボンベを一緒に扱えるだろうか」
「家族一人の付き添いで大丈夫だろうか」
と不安になることがあります。
酸素ボンベを使っていても、状態に合わせて準備と工夫をすることで、通院できる場合があります。ただし、実際の通院は「酸素ボンベを持って行く」だけでは終わりません。
車いすを押す、荷物を持つ、受付をする、会計をする、薬局へ移動する、本人の顔色や呼吸の様子を見る。
こうしたことが同時に重なるため、付き添うご家族の負担が大きくなりやすいのです。
この記事では、酸素ボンベを使う方の通院移動で、家族が知っておくと安心なポイントを整理します。

- 酸素ボンベを使う通院で大変なのは「移動中」です
- 片手で酸素ボンベ、片手で車いすは想像以上に大変です
- 家の玄関から薬局まで、通院はずっと移動が続きます
- 家族が困るのは「酸素ボンベだけ」ではありません
- 酸素ボンベを車いすに固定できると楽になる場合があります
- 携行方法はどれが良いか、事前に相談しておくと安心です
- 酸素残量と通院時間は事前に確認しておくと安心です
- 酸素流量は自己判断で変えないことが大切です
- 本人の顔色や反応を見る余裕も必要です
- 福祉ハイヤー(介護タクシー)を使う理由は「酸素ボンベ」だけではありません
- 北海道エリアでは冬道にも注意が必要です
- 酸素使用中の火気についても確認しておきましょう
- 通院前に確認しておきたいこと
- まとめ|付き添うご家族にも余裕が必要です
酸素ボンベを使う通院で大変なのは「移動中」です
自宅では、酸素ボンベやチューブの位置がある程度決まっています。
しかし通院では、本人も酸素ボンベも一緒に動きます。
一般的な病院受診の流れは
- 家の玄関を出る
- 車に乗る
- 病院玄関で降りる
- 院内を移動する
- 受付をする
- 待合室で待つ
- 診察室へ移動する
- 会計をする
- 薬局へ行く
という感じですね。
この間、酸素ボンベ、車いす、荷物、診察券、保険証、本人の体調確認が重なります。
酸素ボンベを使う方の通院で大変なのは、酸素ボンベを「持つこと」だけではありません。
酸素を使いながら、車いす移動や手続きを同時に行うことが、付き添うご家族にとって大きな負担になりやすいのです。
片手で酸素ボンベ、片手で車いすは想像以上に大変です
通院時には、介助者が酸素ボンベのキャリーカートを片手で引きながら、もう片方の手で車いすを押す場面があります。
文章にすると簡単そうに見えます。
しかし、実際の病院内ではかなり大変です。
病院内は、
- 通路が狭い
- 人が多い
- 曲がり角が多い
- 待合室の椅子が並んでいる
- 受付前や会計が混みやすい
- エレベーターが狭い
- 車いすをバックで出す場面がある
など、車いすを押すだけでも注意が必要な場所が多くあります。
そこに酸素ボンベのキャリーカートが加わると、介助者の片手がふさがります。
片手で車いすを押すと、方向転換、停止、段差への対応がしにくくなる場合があります。
さらに、診察券や保険証を出す、荷物を持つ、本人の顔色や息苦しさを確認するといったことも、同時に必要になります。
ご家族が「思っていたより大変だった」と感じるのは、決して段取りが悪いからではありません。
酸素ボンベを使いながらの通院は、そもそも手間と注意が重なりやすいのです。

家の玄関から薬局まで、通院はずっと移動が続きます
通院の大変さは、病院内だけではありません。
家の玄関には上がり框があることも多く、車いすへの移乗や段差対応が必要になる場合があります。
病院に着いてからも、受付、待合室、診察室、会計、薬局と移動が続きます。
薬局が病院とは別の建物にある場合は、一度外に出て、歩道を移動しなければならないこともあります。
歩道は水はけのために少し傾斜がついていることがあります。そのため、車いすが車道側へ流れやすく、介助者が常に方向を修正しながら押す必要が出ることもあります。
薬局の入口や店内が狭い場合もあります。
家を出てから帰宅するまで、移動と確認が続くと考えて準備しておくことが大切です。
家族が困るのは「酸素ボンベだけ」ではありません
初めて酸素ボンベを使って通院するとき、主治医から
「酸素をつけて受診してください」
と言われると、
「酸素ボンベを持って行けばいい」
と考えるのは自然なことです。
しかし実際には、通院中に次のようなことが重なります。
- 車いすを押す
- 酸素ボンベを運ぶ
- チューブのたるみや引っかかりを確認する
- 荷物を持つ
- 受付をする
- 会計をする
- 薬局へ移動する
- 本人の顔色や反応を見る
- 酸素残量を気にする
家族が大変なのは、酸素ボンベそのものだけではありません。
本人の体調、車いす、酸素ボンベ、荷物、手続きが同時に重なることが負担になります。
だからこそ、通院前には「酸素ボンベを持って行くか」だけでなく、「誰がどの場面で何をするか」まで考えておくと安心です。
酸素ボンベを車いすに固定できると楽になる場合があります
酸素ボンベをキャリーカートで引く場合、介助者の片手がふさがります。
一方で、酸素ボンベを車いすに固定できるケースやホルダーが使えると、介助者が酸素ボンベを別で持つ必要が少なくなります。
そのため、両手で車いすを押しやすくなります。
両手で車いすを押せると、
- 方向転換がしやすい
- 停止しやすい
- 段差に対応しやすい
- 狭い場所で操作しやすい
- 介助者の余裕が生まれやすい
という良さがあります。
特に、病院内の曲がり角やエレベーター、受付前、会計前などでは、両手で車いすを操作できることが安心につながります。
ただし、車いすへの固定を検討する場合には、事前に確認が必要な点があります。
- 車いすの形に合っているか
- ボンベの重さで後方重心にならないか
- 固定が不安定ではないか
- リクライニング時に後ろへ倒れやすくならないか
- チューブが引っかからないように取り回せているか
特に、リクライニング車いすでは、姿勢を倒したときに後方へ重心が移りやすくなります。そこに酸素ボンベの重さが加わると、車いす全体のバランスに注意が必要です。
「必ず車いすに固定する」ではなく、固定できる方法があるか事前に確認しておくという考え方が安心です。

携行方法はどれが良いか、事前に相談しておくと安心です
酸素ボンベの携行方法には、キャリーカート型のほかに、肩掛け型(ショルダーバッグ型)や背負い型(リュック型)があります。
ただし、通院では「本人がボンベを携行できるか」がまず大きな判断ポイントになります。
車いす移動が必要な方の場合、本人がボンベを肩掛けや背負い型で携行することが難しいケースもあります。
また、介助者がボンベを携行している場合でも、通院中には介助者が本人から少し離れる場面があります。
たとえば、
- 受付に診察券を出す
- 会計をする
- 薬局で処方箋を出す
- 窓口で説明を受ける
といった場面です。
本人と酸素ボンベがチューブでつながっているため、介助者だけが離れることが難しくなる場合があります。そのたびにボンベを置き直したり、移動させたりする手間が生じることもあります。
どの携行方法が良いかは、本人の状態、車いすの形、病院内の移動距離、付き添い人数によって変わります。
通院前に、酸素業者や訪問看護師、ケアマネージャー、医療機関などに相談しておくと安心です。
酸素残量と通院時間は事前に確認しておくと安心です
通院では、予定より時間がかかることがあります。特に総合病院では、検査、診察、会計、薬局まで含めると、一日がかりになることもあります。
そのため、出発前に次のような点を主治医や訪問看護師、酸素業者に確認しておくと安心です。
- 酸素ボンベの残量
- 酸素流量
- 外出にかかる時間の目安
- 病院での待ち時間の見込み
- 薬局までの移動があるか
- 予備ボンベが必要か
- 帰宅まで酸素が足りそうか
- 受診先で病院の酸素に切り替えることができるか
「この残量で往復できるかな」「診察が長引いたら足りるかな」と不安になることがあれば、ひとりで判断しようとせず、事前に専門家へ確認しておくことが大切です。
酸素流量は自己判断で変えないことが大切です
酸素流量は、医師の指示に基づいて管理されるものです。
移動中にSpO2(血中酸素飽和度)が下がったとしても、ご家族や介助者が自己判断で酸素流量を変更することは避け、事前に主治医や訪問看護師、受診中の病院のスタッフへ確認することが大切です。
通院前には、次のような点を主治医または訪問看護師に確認しておきましょう。
- 普段のSpO2・血圧・脈拍・呼吸数
- 普段と違う様子の目安
- どのような状態になったら連絡が必要か
- 移動中に酸素流量を変更する指示があるか
- 緊急時の連絡先
大切なのは、移動中に慌てて判断することではありません。
事前に「こうなったらこう対応する」を確認しておくことが、安心な通院につながります。
本人の顔色や反応を見る余裕も必要です
酸素ボンベを使う方の通院では、移動中に本人の様子を見ることも大切です。
たとえば、顔色、表情、反応、会話量、息苦しさの訴え、疲労感、SpO2などです。
ただし、介助者が車いす、酸素ボンベ、荷物、受付、会計に追われていると、本人の変化に気づく余裕が少なくなることがあります。
特に、院内が混雑しているときや、エレベーターの乗り降り、薬局までの屋外移動では、介助者自身もかなり集中力を使います。
安全な通院のためには、本人だけでなく、付き添うご家族にも余裕が必要です。
「何とか一人で全部やる」ことだけが正解ではありません。必要に応じて、付き添いの人数を増やす、病院内の移動方法を確認する、福祉ハイヤー(介護タクシー)などを利用するといった選択肢もあります。

福祉ハイヤー(介護タクシー)を使う理由は「酸素ボンベ」だけではありません
酸素ボンベを使っていること自体が、福祉ハイヤーを利用する理由になるとは限りません。
実際には、
- 歩くと息切れしやすい
- SpO2が下がりやすい
- 麻痺や筋力低下がある
- 車いす移動が必要
- 普通車への乗り降りが大変
- 家族だけで院内移動を支えるのが不安
- 長い距離を歩くことが難しい
といった理由で、福祉ハイヤー(介護タクシー)が選択肢になることがあります。
大切なのは、酸素ボンベを使っているかどうかだけではなく、その方が安全に移動できるかどうかです。
歩ける方であれば、一般的な移動手段で通院できる場合もあります。一方で、車いす移動が必要な場合や、乗り降り、院内移動、付き添いに不安がある場合は、状態に合った移動方法を考えることが安心につながります。
北海道エリアでは冬道にも注意が必要です
函館市、北斗市、七飯町周辺では、冬の通院移動にも注意が必要です。
冬場は、酸素ボンベを使っているかどうかに関わらず、車いすを雪道で押すだけでも負担が大きくなります。
そこに酸素ボンベのキャリーカートが加わると、
- 雪で車いすの前輪が進みにくい
- 酸素ボンベのキャリーも雪に取られやすい
- 凍結路面で滑りやすい
- 片手がふさがると介助が不安定になりやすい
- 薬局まで外を移動する場合に負担が増える
ということがあります。
また、病院玄関前や駐車場、歩道の除雪状況によっても、移動のしやすさは変わります。
冬場の通院では、次のような点を事前に確認・準備しておくと安心です。
- 当日の路面・除雪状況を確認する
- 除雪が不十分な場合は出発時刻や移動経路を調整する
- 通常より時間に余裕を持って出発する
- 薬局が外移動になる場合は防寒対応を整えておく
酸素使用中の火気についても確認しておきましょう
酸素を使用している場合、たばこ、ストーブ、コンロ、ろうそくなど、火の近くでは十分な注意が必要です。
必要以上に怖がるよりも、主治医や酸素業者から説明された取り扱いを守ることが大切です。
通院時も、車内や待機場所での火気には注意し、わからないことがあれば酸素業者や医療機関に確認しておくと安心です。
通院前に確認しておきたいこと
酸素ボンベを使う方の通院では、出発前に次のような点を確認しておくと安心です。
酸素に関すること(主治医・訪問看護師・酸素業者に確認)
- 酸素ボンベの残量
- 予備ボンベの必要性
- 酸素流量
- 使用可能時間の目安
- 移動中に流量変更の指示があるか
- 普段と違う様子の目安
- 緊急時の連絡先
本人の体調に関すること
- 普段のSpO2
- 血圧・脈拍・呼吸数
- 息切れの出やすさ・疲れやすさ
移動に関すること
- 車いす移動が必要か
- 普通車への乗り降りができるか
- 家の玄関に段差があるか
- 病院内の移動距離
- 薬局が別棟かどうか
- 付き添いが一人で足りるか
- 酸素ボンベの携行方法(車いす固定・キャリー等)
すべてを完璧に準備する必要はありません。ただ、事前に少し確認しておくだけでも、当日の慌て方が変わります。
まとめ|付き添うご家族にも余裕が必要です
通院は、ただ移動するだけでなく、検査を受け、先生の話を聞き、今後の生活につなげるための大切な時間です。
酸素ボンベを使う方の通院では、酸素ボンベを持って行くことだけを考えがちです。しかし実際には、車いす移動、酸素ボンベの管理、荷物、受付、会計、薬局への移動、本人の体調確認が重なります。
安全に院内を移動し、必要な検査を受け、先生に伝えるべきことを伝え、説明を理解するためには、付き添うご家族にも余裕が必要です。
長く介護を続けるためにも、無理をしすぎないことは大切な知恵のひとつです。家族だけで頑張ることが難しい場合は、状態に合った移動方法や付き添い方法を相談して決めると安心です。
酸素ボンベを使う方の通院では、本人の状態だけでなく、付き添うご家族の負担も大切な確認ポイントです。
車いす移動、院内付き添い、酸素ボンベを持ちながらの移動に不安がある場合は、福祉ハイヤー(介護タクシー)などの利用も選択肢になります。
福祉ハイヤーYoursでは、函館市・北斗市・七飯町を中心に、車いすやストレッチャーでの通院移動に対応しています。
「この状態で通院できるだろうか」
「酸素ボンベと車いすを一緒に扱えるだろうか」
「家族一人の付き添いで大丈夫だろうか」
と不安がある場合は、事前にご相談ください。




コメント