はじめに
「車いすで行けるのか、それともストレッチャーが必要なのか分からない」
退院や受診の際、ご家族からこのような相談をいただくことがあります。
特に、
- 寝たきりの方
- 長時間座ることが難しい方
- 体力が低下している方
- 骨折や手術後の方
の場合、どの移動方法が安全なのか判断に迷われることがあります。
無理に座らせると体調が悪化することもあり、逆にストレッチャーが不要なケースもあります。
ストレッチャーが必要なのか、車いすで対応できるのかは、病気や年齢だけではなく、ご本人の身体状態や移動中の姿勢保持能力によって変わります。
この記事では、作業療法士の視点から、ストレッチャーと車いすを選ぶ時の判断ポイントを解説します。
「ストレッチャー=完全な寝たきり」ではない
ストレッチャーは、寝たきりの方だけが利用するものではありません。
例えば、
- 長時間座ることが難しい
- 車いす姿勢を保てない
- 疼痛が強く座位が困難
- 医師から安静指示がある
場合にも検討されます。
ストレッチャーが必要かどうかは、
「座れるか」ではなく「座らせて悪化しないか」
で決まります。
退院時の移動全体については、こちらの記事で詳しく解説しています。
判断基準
判断基準①:座位保持
まず確認するのは「座った姿勢を保てるか」です。
- 数分でも座っていられない
- 体が傾いてしまう
- 支えがないと維持できない
この場合は、ストレッチャーでの移動を検討します。
判断基準②:体調変化
次に重要なのが体調の変化です。
- 起きると血圧が下がる
- 呼吸が苦しくなる
- 強い痛みが出る
無理に座らせると危険なため、ストレッチャー対応が安全です。
判断基準③:医療的ケア
以下のような医療的管理がある場合も注意が必要です。
- 酸素使用
- 点滴
- 吸引の可能性
状態によってはストレッチャー+看護師同行が必要です。
| 車いすで移動できる可能性がある方 | ストレッチャーを検討した方がよい方 |
| 座位を30分〜1時間程度保てる 車いす上で姿勢が崩れにくい 痛みが強くない 呼吸状態が安定している 移乗が安全にできる | ベッド上で過ごす時間が長い 座位保持が難しい 移乗時の負担が大きい 強い痛みがある 医療機器管理が必要 長時間座ることで状態悪化が心配 |
判断に迷う場合
この時点で「うちの場合はどうだろう」と判断に迷う場合は
無理に判断せず一度ご相談ください。
「車椅子で大丈夫なのか」「ストレッチャーが必要なのか」は、車両の問題だけではなく、ご本人の身体状態を見ることが大切です。
作業療法士として大切にしているのは、「乗せられるか」ではなく「安全に移動できるか」です。
同じ車椅子利用者でも、
- 座る能力
- 姿勢保持
- 疲労しやすさ
- 痛み
- ご家族の介助能力
によって適した移動方法は変わります。
こんな方はご相談ください
・ティルト車椅子利用中
・長時間座位保持が難しい
・病院受診が不安
・ご家族だけで移動が難しい
状態をお聞きしたうえで、安全に移動できる方法をご提案します。
よくある誤解
「少し座れるから大丈夫」と判断してしまうケースは非常に多いですが、これは最も注意が必要なパターンです。
短時間でも体調が悪化する可能性がある場合は、安全とは言えません。
実際の対応
実際には、ベッドからストレッチャーへ安全に移乗し、そのまま車両へ乗車します。
ご自宅到着後も、ベッドへの移乗や必要な介助まで対応可能です。
料金との関係
ストレッチャー対応は、安全確保のために専門的な介助と時間を要します。
そのため車いす対応よりも料金が高く設定されている場合がありますが、状態に合わせた適切な対応が含まれています。
まとめ
迷った場合は、以下の3点を基準に判断してください。
- 座っていられるか
- 体調が安定しているか
- 医療的ケアが必要か
ひとつでも不安がある場合は、無理をせず専門対応を検討することが重要です。
ご相談はこちら
ストレッチャーが必要かどうかの判断は、見た目だけでは分からないことも多いです。
退院や通院の日程が決まっている場合は、早めのご相談をおすすめします。
状況をお聞きしたうえで、最適な方法をご提案します。
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